SNS・お知らせ文のプロンプト集
SNS・お知らせ文の作成は、1件あたりの分量が短いわりに、1回の投稿を出すまでに 何度も文面を練り直す仕事である。理由は文章の長さではなく、「同じ内容を、 Xでは短く・公式サイトでは丁寧に・LINEでは親しみやすく」と媒体ごとに 書き分ける作業に時間がかかるからだ。この書き分けと文面のたたき台作りは AIに任せられる。日付・金額・在庫状況などの事実確認と、公開してよいかの 最終判断は人が行う。この記事では、SNS・お知らせ文の作成で使える指示文 (プロンプト)を5本、コピーして使える形で紹介する。
SNS・お知らせ文、AIに任せられるのはどこまでか
SNS・お知らせ文に関わる作業を工程ごとに分けると、AIが得意な部分と 人が担う部分がはっきりする。
| 工程 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 1. 伝える事実の確定 | 日付・金額・対象範囲など、投稿に載せる内容を決める | 人 |
| 2. 文面のたたき台作成 | 決まった事実を、読みやすい文章の形に組み立てる | AI |
| 3. 媒体ごとの書き分け | 同じ内容をX・LINE・公式サイトなど媒体の文字数・トーンに合わせる | AI |
| 4. 表現のチェック | 誤解を招く言い回し・炎上しやすい表現がないかを洗い出す | AI(下書き段階) |
| 5. 事実関係の最終確認 | 日付・金額・在庫状況などが実際と合っているかを照合する | 人 |
| 6. 公開判断 | 出してよい表現か、出すタイミングとして適切かを決める | 人 |
AIが力を発揮するのは「決まった事実を文章に組み立てる」段階と 「媒体ごとに書き分ける」段階である。その事実が正しいか、 公開してよいかの判断は人が行う。
SNS・お知らせ文の作成で何時間減るのか
一般的な業務量から試算すると、AIに下書きを任せた場合の作業時間は 次のようになる。前提は、月8本程度のSNS・お知らせ投稿(新商品案内・ キャンペーン告知・休業案内などを含む)を、担当者1名が作成している 会社のケースである。
| 作業 | いまの時間 | AI下書き後 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1本あたりの文面作成 | 25分 | 10分 | 15分 |
| 媒体ごとの書き分け(X・LINE・サイトの3媒体) | 20分 | 5分 | 15分 |
| 表現の一次チェック | 10分 | 3分 | 7分 |
| 事実確認・公開判断(人が実施) | 10分 | 10分 | 0分 |
試算の前提:伝える事実(日付・金額・対象範囲など)がすでに 決まっている状態からの作業時間を想定している。「いまの時間」は、 文面作成から媒体ごとの書き分けまでを1人で行っている場合の目安である。 事実確認と公開判断は省略できない工程のため時間は変わらない。
差し引きで、文面作成・書き分け・一次チェックの3工程は1本あたり 55分から18分に短縮される計算になる。月8本作成する会社であれば 月4〜5時間ほどが目安になる。実際の削減幅は投稿の種類や 媒体数によって変わる。
指示文1:新商品・サービスの告知文を作る
新商品やサービスの情報を、SNS向けの告知文に組み立てる指示文。
以下は新商品(サービス)の情報です。SNS投稿用の告知文を
作成してください。
条件:
- 冒頭の1文で「何が」「いつから」を伝える
- 誇張表現(「絶対に」「業界No.1」など)は使わない。
情報として提供された内容だけを使う
- 文末に、詳細を確認できる場所(公式サイト・店舗など)への
案内を1行入れる
- 文字数は120字前後にする
---
(商品名・特徴・販売開始日などの情報を貼り付ける)
---
「情報として提供された内容だけを使う」という条件が重要である。 AIが魅力的な文章にしようとして、聞いていない特徴や数字を 作り出してしまうことがあるため、渡した情報の範囲を超えないよう 明示する。
指示文2:休業・営業時間変更のお知らせ文を作る
臨時休業や営業時間の変更を、複数の媒体向けに書き分ける指示文。
以下は休業(営業時間変更)の情報です。この内容で、SNS投稿用・
公式サイトのお知らせ欄用・LINE配信用の3種類の文面を
作成してください。
条件:
- 「いつからいつまで」「通常との違い」を最初の2行以内で
伝える
- SNS投稿用は120字前後、公式サイト用は丁寧な文体で
250字前後、LINE配信用は親しみやすい文体で100字前後にする
- 休業理由は、情報として渡した内容のみを書く。理由が
提供されていない場合は理由を書かず「〇月〇日〜〇月〇日は
休業いたします」の形にとどめる
---
(休業期間・営業時間変更の内容を貼り付ける)
---
媒体ごとに文体を変えるだけで、伝える事実(期間・内容)は 統一する。3媒体で日付や条件が食い違っていないかは、 投稿前に必ず人が見比べる。
指示文3:同じ内容の投稿文を複数パターン作る
1つの投稿内容について、トーンの異なる複数案を出させる指示文。
以下の内容で、SNS投稿文を3パターン作成してください。
それぞれトーンを変えてください。
条件:
- パターン1:丁寧・フォーマルなトーン
- パターン2:親しみやすい・カジュアルなトーン
- パターン3:簡潔に要点だけ伝えるトーン
- どのパターンも伝える事実(日時・場所・内容)は同じにする。
トーンによって事実の内容を変えない
- 絵文字を使うかどうかは、パターンごとに(使う/使わない)を
明記したうえで判断する
---
(投稿したい内容を貼り付ける)
---
同じ会社のアカウントでも、投稿のたびにトーンで迷うことがある。 複数案を並べて比較すると、自社らしい表現がどれかを選びやすくなる。 選んだあとは、事実関係が3案とも一致しているかを確認する。
指示文4:トラブル・不具合のお詫び文を作る
サービス障害や商品の不具合について、確定している事実だけを 使ったお詫び文を作る指示文。
以下は発生した不具合(トラブル)について、確認済みの事実です。
この事実のみを使って、SNS・お知らせ用のお詫び文を
作成してください。
条件:
- 原因について、確認済みの事実として渡していない内容は
一切書かない。原因が未確定の場合は「原因を確認中です」と
書く
- 対応状況(すでに直したか、対応中か)は渡した情報のとおりに書く。
「もう大丈夫です」のように安心させる表現を、情報にない
範囲まで広げて書かない
- 謝罪の言葉は冒頭に1文だけ入れ、繰り返さない
- 問い合わせ先を文末に明記する
---
(確認済みの事実:何が起きたか・現在の対応状況・問い合わせ先)
---
お詫び文でAIに推測を混ぜさせると、後から「言っていたことと違う」 という二次トラブルにつながる。原因や対応状況は確定した事実のみを 渡し、それ以外は書かせない設計にしている。
指示文5:SNS投稿文の表現をチェックしてもらう
作成した投稿文を、公開前に表現の観点でチェックしてもらう指示文。
以下はSNS投稿の下書きです。公開前のチェックとして、
次の観点で問題がないか指摘してください。
条件:
- 誤解を招く表現(効果・数値を誇張していないか)
- 特定の個人・団体を不快にさせる可能性がある表現
- 事実として断定しているが、根拠が本文中に書かれていない箇所
- 指摘のみを行い、本文を勝手に書き換えない。修正案が
必要な箇所は、指摘のあとに(案)として別に示す
---
(投稿の下書き本文を貼り付ける)
---
このチェックは表現上の観点にとどまる。実際に公開してよいかの 最終判断、炎上リスクの重さの判断は人が行う。AIの指摘は 判断材料の1つとして扱う。
SNS・お知らせ文でよくある失敗
- AIに事実確認まで期待してしまう:AIは渡した情報を文章に 組み立てることはできるが、日付や金額が実際と合っているかは 確認できない
- お詫び文で原因を推測させてしまう:もっともらしい文章に なるほど、後から事実と違うことに気づきにくくなる。指示文4のように 「確定事実のみ」という条件を必ず入れる
- 媒体ごとの書き分けをせず同じ文面を使い回す:XとLINEでは 読まれる文字数もトーンも異なる。同じ文面をそのまま貼ると 読まれにくくなる
- 公開判断をAIのチェック結果だけで済ませてしまう:指示文5の 指摘は表現上の観点にとどまり、炎上リスクの重さや公開タイミングの 判断は人が行う必要がある
これらはいずれも、文章を組み立てる作業と、事実の正しさ・ 公開の適否を判断する作業を同じ工程だと思い込んだときに起きている。
SNS・お知らせ文のAI活用を始める順番
いきなり全ての投稿をAIに任せるのではなく、次の順番で試すと 失敗しにくい。
- リスクの低い投稿から試す(休業案内・営業時間変更など、 事実がはっきりしていて解釈の余地が少ないもの)
- 伝える事実を先に箇条書きで確定する(この時点ではAIを 使わず、人が事実を確定する)
- 指示文1・2でたたき台を作る
- 指示文5で表現をチェックする
- 担当者が事実関係を照合し、公開判断をする
- 問題なければお詫び文など難度の高い投稿にも広げる
最初からお詫び文やトラブル対応の投稿にAIを使おうとすると、 事実確認が追いつかず精度の低いまま公開してしまうリスクが上がる。 リスクの低い投稿から慣れてから広げる。
よくある質問
Q. SNS投稿にAIが作った画像を一緒に使ってもよいですか。 画像生成AIの利用は、この記事で扱う文面作成とは別の検討が必要である。 商用利用の可否や規約はツールによって異なるため、利用する画像生成AIの 公式ドキュメント・利用規約で商用利用の可否を確認してから使う。
Q. 炎上しやすい業界(飲食・医療など)でもAIに文面を作らせてよいですか。 作らせてよいが、指示文5のチェックに加えて、業界特有のNGワード (効果効能の断定表現など)を条件として指示文に明記する必要がある。 業界ごとの規制は業種によって大きく異なるため、自社の業界団体・ 監督省庁の公式サイトで最新のガイドラインを確認する。
Q. AIに作らせた投稿文をそのまま予約投稿してよいですか。 そのままは推奨しない。指示文1〜4はいずれもたたき台であり、 事実確認と公開判断を経てから予約投稿の設定に進む。
Q. お詫び文で「深くお詫び申し上げます」のような定型表現を 毎回変えたほうがよいですか。 毎回変える必要はない。むしろ謝罪の言葉が投稿ごとにばらつくと 不誠実な印象を与えることがある。指示文4のように謝罪部分は 簡潔に固定し、事実部分だけを都度差し替える運用のほうが扱いやすい。
Q. 従業員数名の小さな会社でも、SNS投稿にプロンプトを使う意味は ありますか。 ある。人数が少ない会社ほど、SNS担当が他の業務と兼務していることが 多く、投稿1本にかけられる時間が限られる。指示文3で複数パターンを 出させて選ぶだけでも、文面を練る時間を短縮できる。
</content>
読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。
Q1. AIが作ったSNS投稿文の事実関係(日付・金額・在庫状況など)は、投稿前に人が確認する必要がある。
○ — AIは文章を整えるだけで、内容の正しさは書いた人・確認する人が担保する必要がある(本文参照)。
Q2. トラブル・不具合のお詫び文の文面は、AIに原因の推測まで書かせてよい。
× — 原因が確定していない段階で推測を書くと後で訂正が必要になるため、事実として確定している内容だけを書かせる(本文参照)。
Q3. SNS投稿の炎上リスクの最終判断は、AIではなく人が行う必要がある。
○ — AIは表現のチェックまでで、公開してよいかどうかの最終判断は人が行う(本文参照)。