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プロンプト集

マニュアル作成のプロンプト集

結論

マニュアル作成は、着手してから完成するまでに何時間もかかる仕事の代表格である。 理由は文章を書くこと自体ではなく、担当者の頭の中にしかない手順を、 誰が読んでも同じように動ける形の文章に直す作業に時間がかかるからだ。 この「メモや口頭説明を手順書の形に整える」「表現・体裁をそろえる」部分は AIに任せられる。手順が実際の作業と合っているかの確認、写真やスクリーン ショットの取得、公開後の運用判断は人が行う。この記事では、マニュアル作成で 使える指示文(プロンプト)を5本、コピーして使える形で紹介する。

マニュアル作成、AIに任せられるのはどこまでか

マニュアル作成に関わる作業を工程ごとに分けると、AIが得意な部分と 人が担う部分がはっきりする。

工程 内容 担当
1. 手順の洗い出し 実際にどう作業しているかを担当者に聞く・観察する
2. メモ・口頭説明の文章化 箇条書きメモや録音の書き起こしを手順書の形に整える AI
3. 表現・体裁の統一 文体・見出し・用語の表記をそろえる AI
4. 写真・画面キャプチャの取得 実際の作業画面や現場を撮影する
5. 抜け漏れ・分かりにくい箇所の指摘 手順に飛びや説明不足がないかを機械的にチェックする AI(下書き段階)
6. 手順の正しさの最終確認 書かれた手順どおりに動いて再現できるかを確認する
7. 公開・更新の判断 いつ公開するか、いつ改訂するかを決める

AIが力を発揮するのは「すでに頭の中にある手順を文章に整える」段階である。 その手順が本当に正しいか、実際に再現できるかという確認は、 現場で作業している人にしかできない。

マニュアル作成で何時間減るのか

一般的な業務量から試算すると、AIに下書きを任せた場合の作業時間は 次のようになる。前提は、1本あたり手順が15〜20ステップ程度の 定型業務マニュアル(例:受注処理の手順、備品発注の手順)を 1本作成するケースである。

作業 いまの時間 AI下書き後
ヒアリングメモの文章化 90分 30分 60分
表現・見出しの統一 40分 10分 30分
抜け漏れの一次チェック 30分 10分 20分
実作業との照合・最終確認(人が実施) 45分 45分 0分

試算の前提:担当者へのヒアリング内容を箇条書きメモにまとめてある 状態からの作業時間を想定している。「いまの時間」は、メモを見ながら 文章と体裁を1人で整えている場合の目安である。実作業との照合は 省略できない工程のため時間は変わらない。

差し引きで、文章化・統一・一次チェックの3工程はおよそ160分から 50分に短縮される計算になる。マニュアル1本あたり約110分、 月に3本作成する部署であれば月5〜6時間ほどが目安になる。 実際の削減幅は手順の複雑さやヒアリングの精度によって変わる。

指示文1:箇条書きメモから手順書のたたき台を作る

ヒアリングでとったメモや、担当者から送られた箇条書きの説明を、 手順書の形に整える指示文。

以下は業務の手順について、担当者から聞き取った箇条書きメモです。
このメモをもとに、手順書のたたき台を作成してください。

条件:
- 手順は「STEP1、STEP2」のように番号を振って順番に並べる
- 各ステップは1つの動作だけを書く(1ステップに複数の動作を
  詰め込まない)
- メモに書かれていない手順を推測して補わない。抜けていそうな
  箇所は本文に書かず、末尾に「確認が必要な箇所」として別に
  リストアップする
- 専門用語や社内独自の略語には、そのまま残したうえで
  簡単な説明を()で添える

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(ヒアリングメモを貼り付ける)
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「抜けている手順を推測で埋めない」条件が最も重要である。 AIが自然な文章にしようとして、聞いていない手順を作り出して しまうことがあるため、疑わしい箇所は本文に混ぜず別枠に出させる。

指示文2:既存マニュアルを新人向けにかみ砕く

すでにある社内向けマニュアルを、経験の浅い新人でも読める 表現に書き直す指示文。

以下は社内向けの業務マニュアルです。この内容を変えずに、
入社1年未満の新人でも理解できる表現に書き直してください。

条件:
- 手順の順番・内容・条件分岐は一切変更しない
- 専門用語・社内独自の呼び方は、初出の箇所に簡単な説明を追加する
- 1文を短くする。1文に複数の条件を詰め込まない
- 「〜しておく」「〜しておいてください」のような曖昧な表現は、
  いつまでに・何をするかが分かる書き方に直す

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(既存マニュアルの本文を貼り付ける)
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「内容は変えない」という条件を必ず入れる。書き直しの過程で 手順の順番や条件が入れ替わると、マニュアルとしての正確さが 失われるためである。

指示文3:マニュアルの抜け漏れ・分かりにくい箇所を指摘してもらう

完成した手順書を、実際に読む人の立場でチェックしてもらう指示文。

以下は業務手順書のたたき台です。この手順書を、この業務を
まったく知らない新人が読むと仮定して、分かりにくい箇所・
情報が足りない箇所を指摘してください。

条件:
- 指摘は「どのステップの」「何が足りないか・分かりにくいか」を
  セットで書く
- 手順の正しさそのものは判断しない(あなたは実際の業務を
  知らないため)。表現・情報量の観点だけで指摘する
- 指摘のみを行い、勝手に本文を書き換えない

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(手順書の本文を貼り付ける)
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この指示文の役割は「文章として分かりにくい箇所」を洗い出す ところまでである。指摘された箇所が実際の手順としても正しいかは、 現場の担当者が確認する。

指示文4:複数バージョンのマニュアルを1つに統合する

部署や担当者ごとにばらばらに存在するマニュアルを、 矛盾点を洗い出したうえで1つにまとめる指示文。

以下は同じ業務について書かれた、複数バージョンのマニュアルです。
これらを比較して、内容が食い違っている箇所を先にリストアップ
してください。統合した本文はまだ作らないでください。

条件:
- 「どの手順が」「どのバージョンとどのバージョンで」
  「どう違うか」をセットで書く
- どちらが正しいかは判断しない(社内の事情を知らないため)
- 表記・言い回しの違いは対象外とし、手順・条件・数値の違いのみ
  を対象にする

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(マニュアルA)
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(マニュアルB)
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先に統合済みの本文を作らせると、矛盾点が文章の中に埋もれて 見えなくなる。矛盾のリストアップだけを先にさせ、どちらが正しいかを 現場に確認してから、あらためて統合の指示を出す。

指示文5:マニュアルをFAQ形式に変換する

完成した手順書を、問い合わせ対応用のFAQ(よくある質問と回答)の 形に組み替える指示文。

以下は業務手順書です。この内容をもとに、問い合わせ対応で
よく聞かれそうな質問と回答のセットを作成してください。

条件:
- 質問は、この業務を初めて担当する人が実際に聞きそうな
  言葉で書く
- 回答は手順書に書かれている内容の範囲でのみ作成する。
  書かれていないことは回答に含めず「手順書に記載がないため
  確認が必要」と明記する
- 1つの質問につき回答は3行以内にまとめる

---
(手順書の本文を貼り付ける)
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新人からの同じ質問が繰り返し来る業務ほど、この形式にしておくと 問い合わせ対応そのものが減る。回答の範囲を手順書の記載内容に 限定しているのは、マニュアルに無い内容をAIが作り出さないためである。

マニュアル作成でよくある失敗

  • AIに手順の正しさまで期待してしまう:AIはメモや文章を整える ことはできるが、実際の作業がそのとおりに進むかは確認できない
  • 抜けている手順を推測で埋めさせてしまう:もっともらしい文章に なるほど、抜けに気づきにくくなる。指示文1・3のように 「推測しない」条件を必ず入れる
  • 統合前に矛盾点を洗い出さない:複数のマニュアルをいきなり 1本にまとめさせると、どちらの手順が正しいか分からないまま 統合され、後から混乱する
  • 公開後に更新されないまま放置する:AIが作れるのは作成時点の たたき台までで、業務の変更に合わせた更新判断は人が行う

これらはいずれも、文章を整える作業と、手順の正しさを確認する 作業を同じ工程だと思い込んだときに起きている。

マニュアル作成AIを始める順番

いきなり全部署のマニュアルを作り直すのではなく、 次の順番で試すと失敗しにくい。

  1. 1本だけ試す(頻度が高く、担当者以外がやり方を知らない 業務から選ぶ)
  2. ヒアリングメモを箇条書きで用意する(この時点ではAIを 使わず、人が手順を洗い出す)
  3. 指示文1でたたき台を作る
  4. 指示文3で分かりにくい箇所を洗い出す
  5. 現場の担当者が実際に手順どおり動いて確認する
  6. 問題なければ他の業務にも広げる

最初から複数のマニュアルを同時に作ろうとすると、 どのたたき台も現場確認が追いつかず、精度の低いまま 放置されやすい。1本ずつ現場確認までやり切ってから広げる。

よくある質問

Q. 音声で録音した説明をそのままAIに読み込ませて手順書にできますか。 録音データを直接読み込めるかはツールによって異なる。利用している AIツールが音声入力に対応しているかは、公式ドキュメントで最新の 対応状況を確認する。対応していない場合は、書き起こしたテキストや メモを貼り付ける形で使う。

Q. マニュアルに使う画像やスクリーンショットもAIに用意させられますか。 用意させない。実際の作業画面や現場の撮影は人が行う。AIに 任せられるのは、撮影した画像に添える説明文の作成までである。

Q. 何年も更新されていない古いマニュアルをAIに直させれば それで完成しますか。 完成しない。指示文2は表現の書き直しであり、手順の内容自体が 古いままだと誤った作業を新人に教えることになる。書き直す前に、 現在の業務と手順が一致しているかを人が確認する必要がある。

Q. マニュアルの分量が多い場合、AIに一度に全部読み込ませて よいですか。 ツールによって一度に読み込める文字数に上限がある。上限の値は ツールとプランごとに異なるため、利用しているAIツールの公式ドキュメントで 確認する。分量が多い場合は、章やセクションごとに分けて指示文を実行したほうが 抜け漏れに気づきやすい。

Q. 従業員数名の小さな会社でも、マニュアル作成にAIを使う意味はありますか。 ある。人数が少ない会社ほど、業務が特定の担当者の頭の中だけに あることが多く、その担当者が休むと誰も分からなくなるリスクが高い。 指示文1でメモを手順書の形にしておくだけでも、引き継ぎの負担が下がる。

理解度チェック

読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。

Q1. AIに作らせたマニュアルの手順が実際の作業と合っているかの確認は、現場の担当者が行う必要がある。

— AIはメモを手順書の形に整えるだけで、手順の正しさそのものは実際に作業する人が確認する必要がある(本文参照)。

Q2. マニュアルに写真や画面のスクリーンショットを撮って貼る作業は、AIに任せられる。

× — AIが任せられるのは文章の整形・統一で、実物の写真撮影やスクリーンショットの取得は人が行う(本文参照)。

Q3. 既存の複数のマニュアルを1つに統合する際、内容が矛盾している箇所の判断はAIが自動で解決してくれる。

× — AIは矛盾箇所を洗い出すところまでで、どちらが正しいかの判断は現場を知る人が行う必要がある(本文参照)。