メール返信のプロンプト集|断り方・催促・お詫び
メール返信のうち、AIに任せられるのは「下書き」だけである。 断る・催促する・謝るといった書きにくい返信ほど、言葉選びに時間がかかる。 そこだけをAIに任せれば、1件あたりの作成時間は目安として半分近くまで縮む (後述の試算)。誰に・いつ・どう送るかの判断と、送信前の最終確認は 引き続き人が行う。この記事では、断り・催促・お詫びなど書きにくい返信の 指示文(プロンプト)を5本、コピーして使える形で紹介する。
メール返信のどこをAIに任せられるのか
メールの返信に関わる作業は、大きく3つに分けられる。
| 作業 | 内容 | AIに任せられるか |
|---|---|---|
| 判断 | 返信するかどうか、何を伝えるかを決める | 任せられない(人が実施) |
| 下書き作成 | 伝える内容を文章に組み立てる | 任せられる |
| 最終確認・送信 | 事実関係の確認、送るかどうかの決定 | 任せられない(人が実施) |
AIに渡すのは「誰に・何を伝えたいか」という要点と、元になったメールの本文である。 文章に組み立てる部分だけを引き受けさせ、内容の正しさや送るかどうかの判断は 人が最後まで持つ。この線引きを崩さなければ、書きにくいメールほど時間の差が出やすい。
一般的な中小企業を想定した目安の試算は次のとおりである。 特定の企業の実績ではなく、想定される業務量からの試算であることに注意。
| 作業 | いまの時間(1件あたり) | AI活用後 | 差 |
|---|---|---|---|
| 断りメールの文面作成 | 15分 | 5分 | 10分 |
| 催促メールの文面作成 | 10分 | 3分 | 7分 |
| お詫びメールの文面作成 | 20分 | 8分 | 12分 |
| 日程調整・保留の返信 | 8分 | 3分 | 5分 |
試算の前提:営業・カスタマー対応を兼ねる担当者1名が、上記のような 書きにくい返信を月20件程度扱うと想定。単純な定型連絡(受領確認など)は含めない。 月20件の内訳が上記4種類に均等に分かれるとすると、月あたり150〜200分 (2.5〜3.3時間)程度の差になる計算だが、これは業務量の目安であり、 実際の削減時間を保証するものではない。
使い方の共通ルール
5本の指示文はどれも、元のメール本文か伝えたい要点をAIに貼り付けてから使う。 共通して守ったほうがよい点は次の3つ。
- 事実関係(納期・金額・経緯など)は人が正確に書いて渡す。 AIは事実を 確認する手段を持たないため、渡した情報をそのまま文章にするだけである
- 相手との関係性(初めての相手か、長年の取引先か)を条件として伝える。 同じ「断る」でも、言葉の硬さは相手によって変えたほうが自然になる
- 出てきた文章は、送信前に必ず声に出して読む。 AIの文章は整いすぎて、 かえって冷たい印象を与えることがある。読み上げると違和感に気づきやすい
指示文1:断りメールを作る
値引き要求や日程変更など、相手の依頼を断る場面で使う指示文。
以下の内容で、相手からの依頼を断るメールの下書きを作成してください。
依頼内容:(ここに相手から来た依頼の要点を書く)
断る理由:(ここに断る理由を書く)
相手との関係:(例:数年来の取引先/初めてのやり取り 等)
条件:
- 依頼への感謝または配慮を最初に一言入れる
- 断る理由は簡潔に述べ、言い訳のように長く書かない
- 代わりにできることがあれば、断りの後に一つ提案する(無ければ「代替案なし」と伝える)
- 「検討します」のような結論を先送りする表現は使わない
「相手との関係」を書き分けることで、文面の硬さが自然に変わる。 「代わりにできることがあれば提案する」の一文は削らないこと。 断るだけで終わる文面より、関係が続きやすくなる。
指示文2:催促メールを作る
返信や支払いが期日までに来ていない相手に送る、催促メールの指示文。
以下の内容で、期日までに返信(または対応)がない相手への催促メールの下書きを作成してください。
依頼した内容:(ここに何をいつまでに依頼したかを書く)
現在の状況:(例:期日を3日過ぎている/リマインドは初めて 等)
今回の位置づけ:(例:1回目の催促/2回目で前回より強めにしたい 等)
条件:
- 相手を責める表現は使わない(見落としの可能性を前提にする)
- 「いつまでに」を文中で明確にする
- 今回が2回目以降の催促である場合のみ、前回連絡した事実に軽く触れる
「今回の位置づけ」を書くことで、催促の強さを指示文側でコントロールできる。 何度も催促しているのに毎回1回目と同じ柔らかさで送ると、 相手に軽んじられていると受け取られることがある。強めるかどうかは人が決め、 条件として伝える。
指示文3:お詫びメールを作る
納期遅延やミスがあった際の、お詫びメールの指示文。
以下の内容で、お詫びのメールの下書きを作成してください。
何が起きたか:(ここに事実だけを書く。推測や言い訳は書かない)
原因:(分かっている範囲で書く。不明な場合は「調査中」と書く)
今後の対応:(いつまでに、何をするか)
条件:
- 最初の一文でお詫びの意思を明確に伝える
- 原因の説明は事実のみとし、言い訳に聞こえる表現(「〜のため仕方なく」等)は避ける
- 「今後の対応」は具体的な日付や行動で書く。あいまいな表現(「善処します」等)にしない
- 過度にへりくだった表現を繰り返さない(謝罪の言葉は最初と最後の2回まで)
お詫びメールは、事実と原因を人が正確に渡せるかどうかで文面の質が決まる。 「何が起きたか」の欄に推測を混ぜないこと。AIは渡された内容をそのまま 文章にするため、あいまいな事実を渡すと、あいまいなお詫びになってしまう。
指示文4:日程調整・保留の返信を作る
すぐに結論を出せない依頼に対して、日程調整や返答保留を伝える指示文。
以下の内容で、すぐに結論を出せない依頼への返信メールの下書きを作成してください。
依頼内容:(ここに依頼の要点を書く)
保留の理由:(例:社内確認が必要/担当者不在 等)
回答予定日:(いつまでに回答するか)
条件:
- 「検討します」だけで終わらせず、いつまでに回答するかを必ず明記する
- 保留の理由は簡潔に一言添える程度にとどめる
- 相手を待たせることへの配慮を一文入れる
「回答予定日」を必ず書かせることで、返事のない放置状態を防ぎやすくなる。 保留の返信は、結論が無いこと自体は問題にならない。いつ結論が出るかが 書かれていないことが問題になる。
指示文5:長文メールを読んで返信案を作る
相手からの長いメールを読み、要点を整理したうえで返信の下書きを作る指示文。
以下は相手から届いた長いメールです。まず要点を3行以内で整理し、
そのうえで返信の下書きを作成してください。
返信の方向性:(例:概ね了承する/一部条件を付けて了承する/断る 等)
伝えたい条件・補足:(ここに追加で伝えたい内容があれば書く)
条件:
- 要点整理は「相手の要望」「期限」「懸念点」の3項目に分ける
- 返信の下書きは、要点整理を踏まえた内容にする
- 相手のメールに書かれていない内容を、返信に書き加えない
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(ここに相手からのメール本文を貼り付ける)
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長いメールほど、返信の前に「結局何を求められているか」を整理する作業に 時間がかかる。この指示文は、その整理と返信案の作成を1回でまとめて行う。 要点整理の3項目だけを先に確認し、返信案は参考程度に見る使い方もできる。
よくある質問
Q. 断りにくい相手への返信も、AIに任せて大丈夫ですか。 文面の下書きは任せられるが、断る・保留するといった判断自体は人が行う。 特に取引額が大きい相手や、今後の関係に関わる返信は、AIが作った文面を そのまま送らず、内容と言い回しの両方を人が確認したほうがよい。
Q. お詫びメールで、事実と違う内容が書かれてしまうことはありますか。 ある。AIは渡された情報をもとに自然な文章を作るのが得意な分、 情報が不足していると、それらしい言葉で埋めてしまうことがある。 「何が起きたか」は事実だけを渡し、不明な点は「調査中」と明記する。
Q. 催促メールが強すぎる・弱すぎると感じたときはどうすればよいですか。 指示文の「今回の位置づけ」の欄を書き直して、もう一度出力させるのが早い。 「もう少し柔らかく」「もう一段強めに」と追加で伝えれば、 同じ指示文のまま調整できる。
Q. 顧客名や取引先の名前を指示文に含めても問題ないですか。 無料版・個人向け有料版(ChatGPT Plus、Claude Pro等)は、既定では入力内容が 学習に使われる設定になっており、止めるには自分で設定を変える必要がある (出典:OpenAI「Enterprise privacy at OpenAI」openai.com/enterprise-privacy、 Anthropic公式ヘルプセンター support.anthropic.com)。一方、法人向けプラン (ChatGPT Business・Enterprise、Claude Team・Enterprise)は既定で学習に 使わない設定になっている。ただし条件はツールやプランの改定で変わるため、 契約前に利用するAIツールの公式ドキュメントで最新条件を確認したほうがよい。 不安がある場合は、社名を「A社」のように置き換えてから渡す方法もある。
Q. 英語でのメール返信にも同じ指示文が使えますか。 指示文の骨格(依頼内容・理由・条件を書いて渡す形式)は英語メールにも 応用できる。ただし言語ごとに丁寧さの表現が異なるため、出力後に 「この言い回しは相手国の商習慣として自然か」を確認したほうがよい。 必要であれば「英語のビジネスメールとして自然な言い回しにしてください」 と条件に加える。
読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。
Q1. 断りメールの下書きをAIに作らせる場合でも、実際に送信するかどうかは人が判断する必要がある。
○ — AIが作れるのは下書きまでで、送るかどうかの最終判断は人が行う(本文参照)。
Q2. 催促メールでは、相手の状況に応じて言い回しをどこまで強めるかもAIがすべて自動的に判断してくれる。
× — 言い回しの強さは相手との関係によって変わるため、条件を人が指定し、送信前に確認する必要がある(本文参照)。
Q3. お詫びメールの下書きをAIに作らせたら、書かれている事実関係(納期・原因など)が正しいかは人が確認する必要がある。
○ — AIは事実を確認する手段を持たないため、事実関係の正しさは人が確認する(本文参照)。


