CLAUDE.mdの書き方|AIに社内ルールを覚えさせる
CLAUDE.mdは、Claude Codeというツールがセッションを始めるたびに自動で読み込む、 ルール専用のテキストファイルです。ここに社内の禁止事項・手順・言葉づかいを 書いておくと、AIに指示を出すたびに同じ注意事項を説明する手間が要らなくなります。 一般的な業務量から試算すると、担当者1人あたり月7時間前後の「毎回の説明」が 浮く計算になります(後述の前提)。書き方を間違えると逆にAIが混乱するため、 盛り込む量と優先順位には注意が必要です。
CLAUDE.mdとは何か
CLAUDE.mdは、特別なプログラムの知識がなくても書ける、ただのテキストファイルです。 Claude Codeという、文章やファイルを扱うAIツールが、セッションを始めるときに、 作業しているフォルダとその上位フォルダにあるこのファイルを必ず読み込みます。
普通にAIツールへ話しかけると、「敬語で書いて」「この単語は使わないで」 「金額の話は必ず税抜で書いて」といった注意事項を、毎回のやり取りで 説明し直す必要があります。CLAUDE.mdに同じ内容を書いておけば、この説明が 1回で済み、以降のやり取り全部に自動で適用されます。
たとえるなら、新しいアルバイトが来るたびに一から仕事の作法を口頭で教えるか、 最初に「マニュアル」を1冊渡しておくかの違いです。CLAUDE.mdはこのマニュアルの 役割を果たします。
ファイルは複数の場所に置け、読み込む優先順位が決まっています。会社全体向け
(管理者が配布するもの)、個人向け(~/.claude/CLAUDE.md)、プロジェクト向け
(./CLAUDE.md)、個人のプロジェクト内メモ(./CLAUDE.local.md)の順に読み込まれ、
すべてが1つにまとめて使われます(Claude Code公式ドキュメント、2026年9月時点)。
また、@ファイルパス という書き方で、別のテキストファイルの中身を呼び出して
読み込ませることもできます。
CLAUDE.mdを書くと、どれくらいの時間が浮くのか
AIツールに社内ルールを毎回説明している状態と、CLAUDE.mdに固定した状態を 比べると、次のような試算になります。
| 業務 | いまの時間(月) | CLAUDE.md導入後 | 差 |
|---|---|---|---|
| ルール説明(言葉づかい・禁止事項) | 4時間 | 0.5時間 | 3.5時間 |
| フォーマット指定のやり直し | 2時間 | 0.5時間 | 1.5時間 |
| 誤った出力の修正依頼 | 3時間 | 1時間 | 2時間 |
| 合計(担当者1人あたり) | 9時間 | 2時間 | 7時間 |
試算の前提
- AIツールを日常的に使う担当者1人を想定
- 「ルール説明」は、指示のたびに注意事項を書き添える手間(1回3〜5分×月40回程度)
- 「誤った出力の修正依頼」は、ルール未記載が原因で起きた手戻りのみを対象とし、 内容そのものの判断ミスは含まない
- 実際の削減時間は、AIツールの利用頻度と社内ルールの複雑さで変わります
CLAUDE.mdに書くべき5つのルール
書く内容に迷ったら、次の5種類から埋めていきます。
- 言葉づかい・トーン: 敬語かどうか、絵文字を使うか、断定調を避けるか
- 禁止事項: 出してはいけない情報(社外秘・個人名・未確定の金額)
- フォーマット: 見積書の桁区切り、日付の書式、ファイル名の付け方
- 判断の範囲: AIが決めてよい範囲と、必ず人が確認する範囲の境界線
- よく使う手順: 定型作業の手順(週次レポートの構成、議事録の型など)
このうち4番目の「判断の範囲」が最も抜けやすい項目です。 「値引きの金額は書かない」「顧客への返信は下書きまでで、送信は人が行う」 のように、AIに任せない部分を明記しておくと、意図しない出力を防げます。
書き方の型
CLAUDE.mdは長い文章で書く必要はありません。箇条書き中心で十分です。 基本の型は次のとおりです。
# 会社の基本ルール
## 言葉づかい
- 敬語で書く。絵文字は使わない
- 「絶対に」「必ず」など断定を強める言葉を避ける
## 禁止事項
- 顧客名・金額を含む情報を、社外向けの文章にそのまま転記しない
- 未確定の見積もりを「確定」と書かない
## 判断の範囲
- 金額の提示・値引きはAIが決めず、必ず人が確認してから出す
- メールの下書きまでは任せる。送信は人が行う
## よく使う手順
- 週報は「今週の実績」「来週の予定」「課題」の3項目で書く
このように、見出しごとに箇条書きを並べるだけで、AIはその内容を毎回踏まえて 動くようになります。文章として整っている必要はありません。
よくある失敗
CLAUDE.mdを運用し始めた会社で、実際によく起きる失敗を3つ挙げます。
- 書きすぎる: Claude Code公式ドキュメントも「1ファイルあたり200行未満」を 目安として案内しています(公式ドキュメント、2026年9月時点)。それを超えて 詰め込むと、AIが優先順位をつけられず、逆に重要なルールが埋もれます。 まずは10〜20行から始め、問題が起きた箇所だけ追記していく方が安定します
- 矛盾したルールが残る: 「敬語で書く」と「カジュアルな口調で書く」が 両方残っているなど、後から足したルールが古いルールと衝突しているケースです。 定期的に読み返して、古い記述を消す作業が要ります
- 抽象的すぎる: 「丁寧に対応する」のような表現は、AIにとって具体的な 基準になりません。「敬語を使う」「絵文字を使わない」のように、 行動として判断できる形で書く必要があります
安全に運用するための注意点
CLAUDE.mdはAIが毎回読み込むファイルであり、使い方を誤ると情報が 外に漏れる経路にもなり得ます。次の点は必ず守ってください。
- パスワード・APIキー・顧客の個人情報を直接書かない。CLAUDE.mdは 設定ファイルであって、秘密情報の保管場所ではありません
- ファイルの削除やメール送信のような、取り消せない操作をAIに許可する ルールを書くときは、必ず「実行前に人へ確認する」の一文を添える。 AIに操作の権限を渡すこと自体が誤りではなく、確認なしに実行させる 設定が危険です
- 社外の人にも見える場所(公開リポジトリなど)にCLAUDE.mdを置く場合は、 社内ルールの中に取引先名や金額の実例を書き込んでいないか確認します
導入の手順
初めてCLAUDE.mdを作る場合は、次の順番で進めると迷いません。
- 直近1ヶ月、AIツールに同じ注意をした回数をメモしておく
- メモの中から頻度が高いものから順に、箇条書きで書き出す
- 「判断の範囲」の項目だけは、最初から必ず入れる
- 1週間使ってみて、抜けていたルールをその都度追記する
- 月1回、矛盾した記述がないか読み返す
最初から完璧なものを作ろうとせず、実際に使いながら育てていく前提で 始めるのが現実的です。
よくある質問
Q. CLAUDE.mdは誰が書くべきですか。 A. 実際にAIツールを使う担当者本人が書くのが最も早く定着します。 管理部門が一括で作ると、現場で使われている言い回しや判断基準が 反映されにくく、実態と合わないルールになりがちです。
Q. 部署ごとに別のCLAUDE.mdを用意した方がいいですか。 A. 部署によって言葉づかいや判断基準が大きく異なる場合は、分けた方が 運用しやすくなります。ただし分けた場合は、共通ルール(社外秘の扱いなど)が 重複して食い違わないよう、どちらかに一本化しておく必要があります。
Q. ルールを書いても、AIが従わないことがあります。なぜですか。 A. ルールの数が多すぎる、記述が抽象的、あるいは矛盾したルールが 残っている場合に起きやすい現象です。まず該当のルールを具体的な 表現に書き直し、それでも改善しない場合は記述の場所や書式を見直します。
Q. 導入にどれくらいの時間がかかりますか。 A. (公的統計はなく、このサイト独自の目安)Claude Code公式ドキュメントを確認しましたが、CLAUDE.md作成に かかる標準的な時間についての公表資料はありません。以下は複数の解説記事に 共通する目安です。最初の叩き台は数十分〜数時間で作れます。その後、実際の運用を 通じて数週間〜1ヶ月ほどかけて内容を整えていく会社が多いようです。一度で完成させる 前提ではなく、育てていくものと考えてください。
読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。
Q1. CLAUDE.mdに書いたルールは、AIに指示を出すたびに毎回書き直す必要がある。
× — 本文で述べたとおり、ファイルに一度書いておけば、以降はAIが毎回そのルールを踏まえて動く。
Q2. パスワードやAPIキーのような秘密情報は、CLAUDE.mdに直接書いてよい。
× — 本文の注意点のとおり、CLAUDE.mdはAIが毎回読み込むファイルであり、外部に渡る経路になり得るため秘密情報は書かない。
Q3. CLAUDE.mdにルールを詰め込むほど、AIの動きは常に正確になる。
× — 本文で述べたとおり、ルールが多すぎるとAIが読み飛ばしたり矛盾が生じたりするため、量より優先順位が重要になる。


