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納期・在庫の問い合わせにAIで即答する仕組み

結論

納期・在庫の問い合わせで時間がかかっているのは、答えを探す作業ではなく、同じ質問に何度も同じ手順で答え続けていることです。「この型番、在庫ありますか」「いつ届きますか」という問い合わせのうち、在庫管理システムや生産管理システムに答えがすでに登録されているものは、AIに任せられます。一方で、特注品の納期見積もり、欠品時にどの得意先を優先するかの判断、価格交渉が絡むやり取りは、引き続き人が行う必要があります。

なぜ納期・在庫の問い合わせに時間がかかるのか

取引先や顧客からの「納期はいつですか」「在庫はありますか」という問い合わせは、電話・メール・チャット・FAXなど複数の経路から日常的に届きます。担当者はそのたびに次の作業をしています。

  • 在庫管理システムや生産管理システムを開き、該当する型番・品番を検索する
  • 出荷予定日や納期の目安を確認し、問い合わせ内容に合わせて文章にする
  • 電話であれば折り返して回答し、メールであれば返信を作成する
  • 対応した内容を記録し、必要なら営業担当者に共有する

1件あたりの対応時間は短くても、問い合わせの件数が多いと積み重なって大きな時間になります。しかも同じ型番への問い合わせが1日に何度も来ることも珍しくなく、担当者は同じ検索と同じ言い回しの回答を繰り返しています。

納期・在庫の問い合わせのどこにAIを使えるのか

問い合わせ対応の工程を分けると、AIに向く部分と人が担う部分がはっきりします。

工程 内容 担当
1. 問い合わせの受付 メール・チャット・電話で質問を受ける AI(人が確認)
2. 在庫・納期データの照会 在庫管理システム・生産管理システムを検索する AI
3. 定型回答の作成 登録済みのデータをもとに回答文を作る AI
4. 特注品の納期見積もり 生産ラインや仕入先に確認して納期を算出する
5. 欠品時の代替提案 代替品・分納・入荷待ちの提案を考える
6. 得意先ごとの優先順位判断 限られた在庫を誰に回すかを決める
7. 価格交渉が絡むやり取り 特急対応の追加費用・大口割引等

AIが力を発揮するのは、システムに答えがすでにある問い合わせに、決まった形式で答えるところまでです。答えがシステムに無い、または人の判断で条件が変わる問い合わせは、人が引き取る必要があります。

定型の問い合わせ、AIにどこまで任せられるか

在庫・納期の定型問い合わせは、次の条件が整っていればAIに任せやすい業務です。

  • 在庫数・出荷予定日がシステム上で常に最新の状態に更新されている
  • 型番・品番と在庫データが1対1で紐づいており、表記ゆれ(全角半角、旧型番等)への対応ができている
  • システムに情報が無い、または特注扱いの問い合わせは、自動で回答せず人に回す設定にしている

在庫データの更新が遅れている、あるいは手作業での在庫調整が反映されていない状態でAIに回答させると、実際とは違う在庫数を案内してしまいます。定型回答の精度は、AIの性能ではなく、元になるデータの鮮度で決まります。導入前にデータの更新頻度を確認しておく必要があります。

一般的な業務量から試算した削減時間

納期・在庫の問い合わせ対応にかかる時間を、1日あたりの問い合わせ件数から試算すると次のようになります。

業務 いまの時間(1日あたり) AI活用後
定型の在庫・納期照会への回答 60分(20件×3分) 15分(内容の確認のみ) 45分
特注品・欠品時の個別確認 40分(8件×5分) 30分(下調べはAI、判断は人) 10分
問い合わせ内容の記録・共有 20分 5分(自動記録を確認) 15分
合計 120分 50分 70分

試算の前提: 1日あたりの納期・在庫の問い合わせを28件(うち定型が20件、特注・欠品絡みが8件)と仮定して計算しています。1日あたり70分の差を月20営業日で換算すると、月23時間前後が空く計算になります。実際の削減時間は、問い合わせ件数やシステムの整備状況によって変わります。

AIでは判断できない問い合わせ:特急対応・欠品・優先順位

定型回答の仕組みを整えても、次の問い合わせは人が対応する必要があります。

  • 特注品や個別仕様の納期見積もり(生産ラインや仕入先への確認が要る)
  • 欠品が起きたときに、どの得意先を優先して出荷するかの判断
  • 欠品時の代替品提案や分納の調整(相手の事情を踏まえた交渉が要る)
  • 特急対応の可否や追加費用、大口割引等、価格交渉が絡むやり取り
  • クレームに近い問い合わせ(「約束の納期に間に合わなかった」等)

これらは、システムのデータを読み上げるだけでは答えられず、社内の在庫状況や取引関係を踏まえた判断が必要です。AIに定型回答を任せる場合も、これらに該当しそうな問い合わせを検知したら、自動で回答せず人に回す設計にしておく必要があります。

導入時に注意すること

納期・在庫の問い合わせにAIを使う場合、次の点を確認しておく必要があります。

  • 在庫管理システム・生産管理システムのデータが、実際の在庫と常に一致するように更新ルールを整える(手作業での在庫調整が反映されていないと誤回答の原因になる)
  • FAXや紙の注文書経由の問い合わせなど、システム化されていない経路が残っている場合、そこは自動化の対象外になる
  • 契約上の納期保証や損害賠償に関わる回答(「必ず◯日までに届く」等の断定)は、AIに任せず人が確認してから伝える
  • 取引先名・注文内容等の情報を扱うため、記録・保管方法は社内の情報管理ルールに沿わせる

在庫・受発注システムと連携する問い合わせ対応ツールの料金体系や機能はサービスごとに異なり、変わりやすいため、契約前に公式ページで最新の内容を確認してください(2026年9月時点)。

導入の進め方

納期・在庫の問い合わせ対応の自動化は、いきなり全ての問い合わせに適用せず、次の順番で進めると失敗が少なくなります。

  1. 直近1〜2ヶ月の問い合わせ内容を記録し、定型で答えられるものと特注・個別対応が必要なものに分ける
  2. 在庫管理システムのデータ更新頻度と精度を確認し、必要なら更新ルールを見直す
  3. 定型の問い合わせだけをAIに任せ、回答内容を一定期間は人が確認する運用にする
  4. 誤回答や判断に迷った件数を記録し、対象を広げるかどうかを見直す

よくある質問

Q. 問い合わせの件数が少ない小さい会社でも、AIによる自動回答に意味はありますか。 A. 件数が少なくても、同じ型番への問い合わせが繰り返される会社では、担当者の作業中断を減らす効果があります。

Q. 在庫データが古い、または手作業で管理している場合はどうなりますか。 A. データの更新が遅れている状態でAIに回答させると、実際と違う在庫数を案内してしまいます。先にデータの更新頻度を整える必要があります。

Q. 欠品しているときの代替品の提案まで、AIに任せられますか。 A. 代替品の提案は、相手の事情や在庫の使い道を踏まえた判断が必要なため、人が行う必要があります。

Q. 「必ず今週中に届きますか」のような納期保証を求められた場合はどうすればよいですか。 A. 契約上の責任に関わる断定的な回答は、AIに任せず人が確認してから伝える必要があります。

Q. FAXで届く問い合わせにもAIは使えますか。 A. FAXの文面をシステムに取り込む仕組みが無い場合、その経路は自動化の対象外になります。まずメール・チャット等の経路から始めることになります。

理解度チェック

読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。

Q1. 在庫管理システムに登録されている在庫数をもとに「在庫あり・なし」を答える作業は、AIに任せやすい。

— 登録済みのデータを読んで定型的に答える部分はAIに任せやすいと本文で述べている。

Q2. 欠品が起きたときに、どの得意先を優先して出荷するかの判断もAIに任せてよい。

× — 限られた在庫を誰に回すかは取引関係を踏まえた人の判断が必要だと本文で述べている。

Q3. 特注品の納期を答える場合、生産ラインへの確認なしにAIがシステム上の標準納期だけで回答してよい。

× — 特注品は個別に生産ラインや仕入先へ確認する必要があり、人が算出すると本文で述べている。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、制度・料金・ツールの仕様は公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。書いているのは社外AI推進室(福岡)の運営者です。誤りはお問い合わせから知らせてください。