Zapier・MakeでAIをつなぐ|プログラミングなしの自動化

Zapier・Makeは、メールやスプレッドシート、チャットツールなど複数のサービスを 「もし◯◯が起きたら、△△する」という形でつなぎ、間にAIの処理を挟める ノーコードの自動化サービスです。プログラムは1行も書きません。 一般的な業務量から試算すると、問い合わせ対応や定型報告の作成で 月10時間前後が空く計算になります(前提は後述の表を参照)。 どのサービスとどのサービスをつなぐか決めるのは人の役割で、 例外対応や交渉のような判断はAIに渡せません。
Zapier・MakeでAIに何をさせられるのか
どちらも仕組みは同じです。「きっかけ(トリガー)」が起きたら、 決まった「動作(アクション)」を実行します。この動作の中に、 AIへの指示を1つの処理として組み込めます。
たとえば次のような流れです。
- 問い合わせフォームが送信される(きっかけ)
- 送信内容をAIが要約し、問い合わせの種類を分類する(AIの処理)
- 分類結果に応じて、担当部署のチャットに通知する(動作)
トリガーとAIの処理と動作を画面上でつなぐだけで、この一連の流れが 自動で動くようになります。担当者がメールを開いて内容を読み、 手で振り分けて連絡する作業が要らなくなります。
ZapierとMakeは何が違うのか
同じ用途で使われる2つのサービスですが、向いている場面が異なります。
| 向いている場面 | 特徴 | |
|---|---|---|
| Zapier | 「これが起きたらこれをする」という単純な一直線の流れ | 画面がわかりやすく、初めてでも組みやすい |
| Make | 条件分岐や繰り返しがある複雑な流れ | 処理の流れを図として見ながら組める分、覚えることが多い |
どちらも、つなげるサービスの数が非常に多く、AIの処理を 組み込む機能も用意されています。料金体系は、Zapierは月間の処理件数(タスク数)、 Makeは月間の処理件数(オペレーション数)に応じて段階的に変わり、 どちらも無料プランがあります(出典:Zapier公式サイト・Make公式サイト、 2026年8月時点。具体的な金額・上限は変わりやすいため、契約前に公式サイトで 最新のプラン内容を確認してください)。
どんな業務がつなげられるのか
判断を伴わず、手順が毎回ほぼ同じ業務ほど向いています。
- 問い合わせメールの内容をAIが要約し、担当者に通知する
- 見積書・請求書のPDFからAIが金額や品目を読み取り、 スプレッドシートに転記する
- 週次・月次の定型報告について、集計結果をもとにAIが 説明文のたたき台を作る
- SNSに投稿した内容を、複数の媒体に合わせた文章に AIが調整して展開する
- 予約・申込フォームが送信されたら、内容をAIが確認し 一次案内の返信文を下書きする
いずれも、最終的な送信や判断は人が行う前提での利用です。
工程別の時間試算
一般的な業務量から試算した目安は、次のとおりです。
| 業務 | いまの時間(月) | 導入後の時間(目安) | 差 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせメールの一次対応(要約・振り分け) | 5時間 | 1.5時間 | 3.5時間 |
| 見積書・請求書のデータ転記 | 4時間 | 1時間 | 3時間 |
| 週次定型報告のたたき台作成 | 3時間 | 1時間 | 2時間 |
| SNS投稿の各媒体への展開 | 3時間 | 0.5時間 | 2.5時間 |
| 合計 | 15時間 | 4時間 | 11時間 |
前提:従業員20〜50名規模の会社で、総務または営業事務の担当者1名が これらの業務を兼務している場合の目安です。つなぐサービスの数が 多いほど、また例外的な問い合わせが多い業務ほど、削減できる時間の 割合は下がります。
導入の進め方
いきなり全業務をつなごうとすると、設定ミスが本番に出てしまいます。 次の順番で進めると失敗しにくくなります。
- 1つの業務だけを選ぶ:複数の業務を同時に組もうとせず、 まず1つの定型業務に絞ります
- 手順を紙に書き出す:「何が起きたら、何をするか」を 人が言葉で説明できる状態にします。説明できない手順は 自動化できません
- 少人数でテスト運用する:関係者の一部だけで動かし、 AIの出力や通知先が正しいかを確認します
- 例外の扱いを決める:想定外のパターンが来たときに、 自動処理を止めて人に回すルールをあらかじめ決めておきます
- 本番に切り替える:テストで問題が出なければ、対象を 全員に広げます
任せられないこと・注意点
- 個人情報や取引先の機密情報をAIに渡す設定にする場合は、 外部にどこまでデータが送られるかを事前に確認する必要があります
- 例外対応や条件交渉のような、状況に応じた判断はAIに任せられません
- トリガーの設定を誤ると、誤った相手への通知や誤送信につながります。 本番投入前のテストを省略しないことが必要です
よくある失敗
- 最初から全業務をつなごうとする:設定が複雑になり、 どこで止まっているかを追えなくなります
- テストせず本番に投入する:トリガーの条件が間違っていると、 意図しない相手に通知や返信が届く可能性があります
- AIの出力を検証せず自動送信する:誤字や事実と異なる内容が そのまま社外に届くリスクがあります。送信前に人が確認する 工程を残すことが必要です
FAQ
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか。 A. 使えます。画面上でつなぎたいサービスとAIの処理を選んで 配置するだけで組めるように作られています。
Q. ZapierとMakeはどちらから始めるべきですか。 A. 「これが起きたらこれをする」という単純な流れだけなら Zapierが組みやすい傾向があります。条件分岐や繰り返しが 必要な業務が多い場合はMakeが向いています。
Q. 個人情報を扱う業務でも使えますか。 A. 使えますが、AIの処理にどのデータが渡るかを事前に 確認する必要があります。個人情報を含む項目は自動処理の 対象から外す、といった設定判断が必要です。
Q. 料金はどれくらいかかりますか。 A. Zapierは月間の処理件数(タスク数)、Makeは月間の処理件数(オペレーション数) に応じた段階的な料金体系で、どちらも無料プランがあります。具体的な金額や 上限は変わりやすいため、契約前に公式サイトで最新のプランを確認してください (出典:Zapier公式サイト・Make公式サイト、2026年8月時点)。
Q. 既存のExcel・スプレッドシート業務でも使えますか。 A. 使えます。スプレッドシートへの書き込みや読み取りも つなぐ対象の1つとして扱えます。