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NotebookLMを社内資料の置き場にする使い方

結論

NotebookLMは、社内規程・マニュアル・議事録などの文書をアップロードしておくと、 「有休の申請条件は?」のように聞くだけで、その資料の該当箇所を示しながら 答えてくれる仕組みです。ファイルサーバーの奥にしまわれた資料を探す時間を、 質問して読む時間に変えられます。一般的な業務量から試算すると、 資料探しと問い合わせ対応だけで月8〜15時間ほどの削減が見込めます (後述の試算)。ただし、規程の解釈が割れる場面や、社外に見せる文書の 最終確認は、引き続き人が行う必要があります。

NotebookLMとは何か

NotebookLMはGoogleが提供する、文書を読み込ませて質問できるツールです。 Googleは2026年7月16日(米国時間)、NotebookLMの名称を「Gemini Notebook」に 変更すると発表しました (出典: Impress Watch「グーグルNotebookLM、『Gemini Notebook』に名称変更」 2026年7月17日 https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2125930.html)。 名称変更にあわせて、Google AI UltraやWorkspaceの一部プラン向けにコード実行 などの新機能も追加されましたが、資料を読み込ませて質問するという基本的な 使い方は変わっていません。単体のサービスとして契約する仕組みもありません。 無料版のほか、Google AI Plus・Pro・Ultraという有料AIプランの一部として、 資料数や質問回数の上限が広がります (出典: Google公式サポートページ「Upgrade Gemini Notebook」2026年8月時点 https://support.google.com/gemininotebook/answer/16213268)。 本記事では検索のしやすさを優先し、これまでどおり「NotebookLM」の名称で 解説します。一般的なチャット型AIとの違いは、次の点です。

  • アップロードした資料の中だけから答えを作る(資料にない内容は答えない設計)
  • 答えの根拠になった箇所を示してくれる(元の資料のどこに書いてあるかが分かる)
  • PDF・Googleドキュメント・スプレッドシートなど複数形式をまとめて読み込める

社内規程やマニュアルは、更新されるたびに「どこが変わったか分からない」 「最新版がどれか分からない」という状態になりがちです。NotebookLMは 検索エンジンではなく、読み込んだ資料に対して質問と回答をやり取りする 仕組みなので、資料を探す作業そのものを減らせます。

なぜ「置き場」として使えるのか

一般的な資料の置き場(ファイルサーバー、共有ドライブ、社内Wiki)は、 資料をしまう場所であって、答えを返す場所ではありません。 探す作業は、資料を見つけた人が自分で読んで解釈する必要があります。

NotebookLMに社内資料をまとめて読み込ませておくと、次のような使い方ができます。

  • 就業規則・経費精算規程を読み込ませ、「出張時の日当は?」と聞く
  • 過去の議事録をまとめて読み込ませ、「先月の会議で決まった納期は?」と聞く
  • 業務マニュアルを読み込ませ、新入社員がその場で操作手順を確認する
  • 契約書のひな形を読み込ませ、「この条項は過去のどの契約にもあったか」を確認する

資料を探して開いて読むという3段階の作業が、質問して答えを読むという 1段階に短縮されます。

何に使えるか、何に使えないか

社内資料の置き場として向いている資料と、向いていない資料があります。

向いている資料 向いていない資料
就業規則・経費精算規程などの社内規程 頻繁に内容が変わる進行中の契約交渉資料
業務マニュアル・操作手順書 個人情報・機密度の高い人事評価情報
過去の議事録・会議録 法的な最終判断が必要な契約書の解釈
製品仕様書・カタログ リアルタイム性が必要な在庫・受発注データ
研修資料・オンボーディング資料 社外に開示してはいけない見積・単価情報

向いている資料の共通点は「一度作られたら、しばらく内容が変わらない」 「読めば答えが決まっている」ことです。逆に、日々更新されるデータや、 機密度が高く扱いを限定したい資料は、置き場としては別の管理方法を 維持したほうが安全です。

何時間減るか

一般的な業務量から試算すると、社内資料の問い合わせ対応にかかる時間は 次のように変わります。

業務 いまの時間(月・担当1人あたり) AI化後の時間(目安)
規程・マニュアルの内容確認への回答 6時間 2時間 4時間
過去の議事録・決定事項の検索 4時間 1時間 3時間
新入社員からの業務手順の質問対応 5時間 2時間 3時間
資料の最新版を探す作業 3時間 1時間 2時間
合計 18時間 6時間 12時間

試算の前提: 従業員10〜100名規模の会社で、総務・管理部門の担当者1人が 社内からの問い合わせ対応や資料検索を行っている場合の月間作業時間を 想定しています。NotebookLMに規程・マニュアル・議事録を読み込ませ、 社員が自分で質問して確認する運用に切り替えた場合の目安です。 問い合わせの頻度や資料の量によって変動するため、自社の作業量に 置き換えて参照してください。

使い始める手順

社内資料の置き場として使い始める手順は、次のとおりです。

  1. 対象資料を選ぶ: まずは就業規則・経費精算規程など、 問い合わせが多く、内容が固まっている資料から始めます
  2. 最新版だけを読み込ませる: 古いバージョンが混ざると、 古い内容で答えてしまう原因になります。読み込ませる前に整理します
  3. 社員に使い方を案内する: 質問の仕方(具体的に聞くほど精度が上がる)を 簡単に説明します
  4. 回答の精度を確認する期間を置く: 導入直後の1〜2週間は、 実際の質問に対する回答が正しいかを担当者が確認します
  5. 資料が更新されたら読み込み直す: 規程改定のたびに、 古い版を外して新しい版を読み込ませる運用を決めておきます

最初から全社に開放するのではなく、総務部門内で試してから 展開する順番のほうが、誤答が見つかったときの対応がしやすくなります。

注意しておくこと

社内資料の置き場として使う場合、次の点は事前に確認しておく必要があります。

  • 機密情報の扱い: アップロードした資料は、フィードバックを送らない限り AIモデルの学習には直接使われません。ただし個人のGoogleアカウントでは、 フィードバックを送った内容について人による確認が入ることがあります。 会社契約のGoogle Workspaceアカウントでは、この人による確認は行われません (出典: Google公式サポートページ「Privacy and Terms of Use in Gemini Notebook」2026年8月時点 https://support.google.com/gemininotebook/answer/17004255)。 機密度の高い資料を扱う場合は、個人アカウントでは なく会社契約のアカウントを使うほうが安全です
  • 回答の正確性: 資料に書かれていない内容を聞かれた場合の挙動や、 複数資料の内容が矛盾しているときの答え方は、事前に試しておく必要があります
  • 利用料金: 無料版でも、ノートブック100件・1ノートあたり資料50件・ 1日50回の質問まで使えます (出典: Google公式サポートページ「Frequently asked questions」2026年8月時点 https://support.google.com/gemininotebook/answer/16269187)。 これを超える場合は、Google AI Plus・Pro・Ultraという有料プランに アップグレードすると、ノートブック数は200〜500件、1日の質問回数は 200〜5,000回まで広がります (出典: Google公式サポートページ「Upgrade Gemini Notebook」2026年8月時点 https://support.google.com/gemininotebook/answer/16213268)。 各プランの月額料金は変更されることがあるため、契約前に公式ページで 確認してください。また2026年9月2日から、件数ではなく処理の重さに応じた 新しい利用上限に切り替わる予定です。Google公式サポートページ 「Manage your Gemini Notebook usage limits」を確認しましたが、 2026年8月時点では切り替え後の無料版の具体的な上限は公表されていません 【一次情報なし】。切り替え直前に改めて公式ページで確認してください
  • 社外への提示禁止: NotebookLMの回答をそのまま社外向け文書に転記しない 運用ルールを、事前に決めておく必要があります

料金やポリシーは変更されることがあるため、導入前に必ず最新情報を 確認してください。

まだ任せられないこと

NotebookLMを社内資料の置き場にしても、次の業務は引き続き人が行います。

  • 規程の解釈が割れる場面での最終判断
  • 資料に書かれていない例外対応の決定
  • 機密度の高い人事・契約情報の管理
  • 社外に提示する文書の最終確認
  • 資料そのものの作成・改定判断

NotebookLMが担うのは、すでに文書化された内容を探しやすくする部分です。 文書に書かれていない判断や、新しく決める必要がある内容には対応できません。

NotebookLMの社内活用でよくある質問

Q. 無料で使えますか。 無料で使えます。2026年8月時点では、ノートブック100件・1ノートあたり 資料50件・1日50回の質問まで無料の範囲です (出典: Google公式サポートページ「Frequently asked questions」2026年8月時点 https://support.google.com/gemininotebook/answer/16269187)。これを超えると、 Google AI Plus・Pro・Ultraという有料プランへのアップグレードが必要です。 なお2026年9月2日から、件数ベースではなく処理の重さに応じた利用上限に 切り替わる予定ですが、切り替え後の無料版の具体的な上限は2026年8月時点で 公式に公表されていません【一次情報なし】。

Q. 社内の機密情報をアップロードしても大丈夫ですか。 機密度の高い資料は、データの保存・利用に関するポリシーを確認してから 判断する必要があります。就業規則など、社内で広く共有している資料から 始めるほうが安全です。

Q. 間違った答えを返すことはありますか。 資料にない内容を聞かれた場合や、複数資料の内容が矛盾している場合は、 誤った回答や不完全な回答が返ることがあります。導入直後は、 実際の質問に対する回答を担当者が確認する期間を置く必要があります。

Q. 資料を更新したら自動で反映されますか。 自動では反映されません。規程やマニュアルを改定したときは、 古い版を外して新しい版を読み込み直す作業が必要です。

Q. どの部署から導入するのが現実的ですか。 就業規則や業務マニュアルのように、内容が固まっていて問い合わせが多い 資料を持つ総務・人事部門から始めると、効果を確認しやすくなります。 問い合わせが多い資料を1つ選び、そこから試すのが現実的です。